DeNAが3日、12選手に戦力外通告を行った。野手は中村紀洋内野手(41)だけで、11年ドラフト1位で入団した3年目の北方悠誠投手(20)、今季1軍の中継ぎで16試合に登板した藤江均投手(28)、ベテラン藤井秀悟投手(37)ら大量11人の投手リストラを断行。久保、井納がハーラー争いを繰り広げるなど投手陣に計算のメドが立ったことで、さらなるチーム力向上のため戦力再編に踏み切った。

 悲願のAクラス入りへ、DeNAが苦渋の決断をした。この日、既に来季構想外を伝えている中村、藤井、菊地を除く9人を球団事務所に呼び、戦力外を通告した。11年に将来性を買われて入団した高卒投手全員が、3年でクビを宣告された。ドラフト1位入団の北方は「結果を残せていないので仕方がない。まだ体は動くので、トライアウトを受けたいと思います」と話し、足取り重く横須賀の2軍練習場に向かった。

 北方は昨年11月、台湾でのウインターリーグで最速158キロを記録。今年2月のキャンプ前に中畑監督から「クローザーで使いたい」と期待された大器だった。だが制球が定まらず、フォームをサイドスローに変えても好転せず、1度も1軍マウンドを踏めなかった。高田GMは「まだ若いし、新たな場所で挑戦してほしいと思った」と戦力外を選択した。

 人員が投手に偏るチーム事情もあった。「投手が課題」と言われ、毎年のように補強ポイントに挙がるが、今季は久保、山口、井納の先発陣が安定。ルーキー三上が抑えを務め、チーム防御率は3点台に底上げ。投手陣にめどが立った。一方で大量補強を続けたことで、選手74人中で投手は42人。球団が理想とする投手33人という枠を大幅に上回った。そのため2軍戦では故障してなくても、登板機会に恵まれないケースが目立った。

 今オフも投手力の底上げを重視するが、ドラフトなどでは「量より質」で人材確保に動く。続投が決まった前日2日の会見で中畑監督は「戦う以上は投手陣の充実が不可欠。もっともっと調整できたら、優勝がつかめるチームになると思う」と話した。ただ野手とのバランスも図るため、在籍する投手を削るしかなかった。古村徹投手(20)は未定だが他11人は現役続行を希望としている。【細江純平】