日本ハム大谷翔平投手(20)が、メジャーの強打者に「ガチンコ勝負」を挑む。11月に開催される「2014

 SUZUKI

 日米野球」に出場する侍ジャパンの最終メンバー28人が9日、発表された。日本ハムからは大谷、中田翔内野手(25)の2人が選出。代表初選出の大谷は、小久保裕紀監督(43)から、11月18日の札幌ドームでの試合の先発に挙げられるなど期待をかけられた。お祭りムードは封印。直球勝負にこだわらず、全球種を使い、投球術で抑え込むことを誓った。

 目は真剣だった。憧れのメジャーリーガーと対決できる日米野球。大谷は真剣勝負を誓った。「しっかりと全球種を使って抑えたい。いろいろな経験を無駄にしないようにしたいです」。日米ともにシーズンオフの時期。球宴のように160キロを期待する「お祭り」ムードも漂うが、勝負度外視の直球勝負は封印し、勝敗にこだわる。

 花巻東3年時、1度は直接メジャーに挑戦することを表明した。ドラフト1位で指名した日本ハムと交渉を重ね、「夢」への近道として日本球界入りを選んだが、その思いは捨てていない。シーズン中も寮やロッカー室では、メジャー中継に見入る。プホルス(エンゼルス)やカノ(マリナーズ)ら、今回来日が予定されている大物選手は「もちろん知っています。みんな素晴らしい選手」。メジャーのレベルを体感し、自分の実力を知るまたとないチャンス。現段階の100%でぶつかり、真っ向勝負する。

 小久保監督は、投手大谷の起用について「初戦に(ブルペンで)スタンバイして2番手で投げ、最終戦の札幌で先発をと考えている」とプランを披露。11月18日、本拠地凱旋(がいせん)ともなるMLB選抜戦でマウンドに上げることを明かした。伝え聞いた大谷は「自分は札幌ドームだからってことはないけど、ファンの方は楽しみにしてくれると思うし、頑張りたいです」。地元スタンドの声援をバックに、慣れ親しんだマウンドで強敵に挑む。

 発表されたメンバーの中では、阪神藤浪とともに最年少。17年のWBCへ向けても、重要な強化試合になる。「もっともっと実力をつけて、(侍ジャパンに)見合う選手にならなければいけない」。日の丸を背負っていくための覚悟もにじませた。

 この日はチームとともに、オリックスとのCSファーストステージへ向け、大阪へ移動した。明日11日の第1戦(京セラドーム大阪)に登板することが決まっている。「まずは、あさって(11日)しっかりやってから。それしか考えてないです」。夢が無限に広がる将来のためにも、目の前の一戦に集中する。【本間翼】<大谷の球種>

 直球fastball、カーブcurve、スライダーslider、フォークforkball、チェンジアップchangeup、カットボールcutter。