侍ジャパンの広島前田健太投手(26)が11日、メジャー斬りの初戦白星を誓った。今日12日に京セラドーム大阪で開幕する「2014

 SUZUKI

 日米野球」で先発先陣を託された鯉のエースは気合十分。今季習得に取り組んだカットボールやスプリットの新球種は封印し、真っすぐやスライダーなど投球の核としている5本柱で勝負し、初戦勝利を導く意気込みだ。

 8年ぶり日米野球の開幕投手を任されたカープのエースは気合十分だった。決戦前日の鳴尾浜球場。ソフトバンク武田とキャッチボールを行いランニング。シーズン同様の前日調整を終えると力強く誓った。

 前田

 第1戦はすごく大事な試合で光栄です。監督も勝ちにこだわると言われているし、それには先発がカギになる。日本代表を勝利に導ける投球をしたい。

 昨年3月の第3回WBC準決勝プエルトリコ戦で、5回1失点と好投しながら日本が敗退した試合以来の国際舞台。世界相手に15回で18奪三振、防御率0・60で選出されたベストナインは大きな自信になった。今大会も日米のプライドがぶつかる初戦を取っていい流れをもたらしたい。日の丸の重みを知る男は、沢村賞のオリックス金子らを押しのけ、初戦を託された意味を理解していた。

 前田

 カットやスプリットは使いません。自分の投球スタイル、球種がどこまで通用するか、どんな反応をするかも感じたい。自分(本来)の投球をしたい。

 勝つ投球の中にはチャレンジ精神も組み込む。打者の目をあざむくべく、今季終盤カットボールを覚え、秋季キャンプではスプリットも試した。だがそれらはすべて封印。あくまで投球の軸としている真っすぐ、カーブ、スライダー、チェンジアップ、ツーシームの5本柱にこだわり、勝負する。

 ♪ありの

 ままの

 姿見せるのよ

 相手は前回WBCでMVPのマリナーズ・カノら、年俸総額1億ドル(約110億円)を超すスター軍団。だが、恐れない。「アナと雪の女王」の歌詞のごとく“素のマエケン”でメジャーを斬る意気込みだ。

 前田

 前回のWBCも自信になりましたが、代表に呼ばれていい投球をすると、また自信になると思う。

 球団は今オフ、ポスティングによるメジャー挑戦を認めない方針を示している。だが将来、米国での勝負を希望する右腕にとっては絶好の腕試しの場だ。注目の初戦に勝てば、さらに評価は高まる。【松井清員】