日本ハム栗山英樹監督(53)が、古巣復帰へと交渉中の田中賢介内野手(33)にラブコールを送った。5日に長野・小諸市内で行われた講演会にメーンゲストとして出席した。12年までのチームリーダーは7月にレンジャーズ傘下3Aを自由契約となり、水面下で獲得交渉中。現状で基本合意に至っていないとみられるだけに、熱い思いを吐露した。

 直接、伝えられない本音がほとばしった。「賢介は(来季戦力として)オレはいると思っている。稲葉、マコトが抜け、キチンとした姿勢を示してくれる選手が必要」と訴えた。球団側は獲得を目指して、田中側と話し合いを継続しているもよう。だが条件面などの折り合いがついていないためか、入団決定まで、いまだ双方で達していないようだ。

 交渉過程は信頼を置く球団に一任し、最終的に入団が濃厚とはみられる。指揮官は「(日本ハムに)戻るか、戻らないかは分からない。それは『野球の神様』が知っている」と心境を明かした。小谷野、大引もFA移籍して来季野手陣は一気に若返る。「彼のスタイル、形は絶対に生きる」。今オフに目指す補強の中で最大の目玉の田中に思い焦がれ、決断の行方を待つ。【高山通史】