「新成」ジャイアンツの先頭に坂本が立つ。巨人坂本勇人内野手(26)が19日、東京・大手町の球団事務所で契約更改交渉を行い、4000万円増の推定2億2000万円で更改した。チームは同日、来季スローガンを「Show

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 Spirit~新成」に決定。常勝軍団を再編する中で、坂本をキャプテンに任命した。自覚あふれる若き主将を旗頭とし、日本一を奪い返す。

 個の話題に終始する例年とは違った。坂本の第一声は「キャプテンになるので、グラウンド内外で模範となるように」だった。巨人軍の第19代主将を務めることが決まった。「『自覚を持て』と思われている。ショートは要のポジション。もっともっと、意識してやれれば」と受け止めた。「前の方(阿部)が偉大だった。少しでも近づけるよう、精いっぱい、年は気にせず、思ったことは言いたい」。優勝旅行でのパーティー壇上よりも、グッと踏み込んだ言葉を並べた。

 来季スローガン「新成」の象徴になる。覇権奪回を目指す原監督は、秋のキャンプで阿部を一塁に転向させ、沢村をブルペン、西村を先発に配した。そして坂本を主将に任命し、構想のど真ん中に置いた。同監督は「2015年、巨人軍は新たなスタートを切ります。これまでのチームを1度解体し、より強いニュージャイアンツを作り上げ、必ずやリーグ4連覇、日本一奪回という目標を成し遂げます」と「新成」の意味を説いた。

 球団も新主将にふさわしい評価をした。遊撃で5年連続の全試合出場。年俸も2億2000万円となり、超一流の域に入った。坂本は「144試合は意識してやりたい」と皆勤賞を続ける誓いを立てて「日米野球の期間中に、ヒントがあった」と続けた。ここ2年、3割を打っていない。「中途半端。打率に尽きる」との自覚があった。「稲葉さんに話を聞いた。(ソフトバンク)松田さんはタイプが似ている。ポイントが前。アドバイスをいただいた。やってみようと思う」と、バットを磨くオフにする。

 理想像を問われ言った。「勝つための姿勢を示せれば」。前さばきでボールをつぶして、仲間を鼓舞して。勇ましい26歳が「新成」ジャイアンツを率いる。【宮下敬至】