故郷の後輩に、3年目の飛躍を誓う。阪神金田和之投手(24)が1月3日に鹿児島・曽於市で行われる成人式で初めて開催するトークショーに特別出演することが22日、分かった。小学校時代にチームメートだった広島中崎、西武中崎と参加。夢をかなえた先輩として大抜てきされる金田は、地元の新成人を前に「一流になる!」と新春の誓いを立てるつもりだ。

 夢をかなえた出身者として大抜てきされた。金田はプロ2年目の今季、1軍の中継ぎ陣に名を並べ40試合に登板した。5勝を挙げた24歳右腕の活躍は、ふるさとの鹿児島・曽於市に届いていた。

 「光栄だと思います。なんで僕?

 と思いましたけど、こんな機会はないでしょうし新成人の人からいい刺激をもらいたい。僕も好きな野球を続けてプロ野球選手になれた。新成人の皆さんにも好きなことを続けて頑張ってほしい」

 出演のオファーは市長直々だった。五位塚剛市長が顔見知りだった金田の父と中崎の父に出演を依頼した。曽於市教育委員会の担当者は「同じところで生まれ育った同年代3人がプロ野球選手となることはなかなかないということで、新成人にエールをもらえれば」と説明。小学校時代に同じ少年団で汗を流した中崎兄弟と444人の新成人の前に立つ。

 これまで地元の少年少女合唱団やラジオDJなどが出演したが、プロ野球選手は初めて。了承を得たことを伝え聞いた成人式実行委員会の13人は「うれしい!」と声をあげて喜んでいたという。

 「自分の夢を宣言するとしたらですか…プロ野球の中で一流になることですかね」

 夢見る後輩の前で、金田も夢を宣言する。年明け後は呉昇桓のグアム自主トレにも参加する予定。来季は先発転向の可能性もある。「練習はしんどいと聞いています。基本ですけど、体力強化に力をいれたい」とレベルアップを図る。暖かい気候を利用し「肩を作り、捕手を立たせての投球練習まで」と計画を立てている。一流の守護神と練習をともにし、一流の階段を上る。

 帰省したが、休むことなくトレーニングを続けている。「頑張ってと声も掛けてもらった」。地元の声援を力にかえ、3年目の飛躍へつなげる。

 ◆金田和之(かねだ・かずゆき)1990年(平2)9月18日、鹿児島県生まれ。都城商-大院大。関西6大学リーグで6試合連続完封。12年ドラフト5位で阪神入り。1年目は1軍昇格するも登板なし。2年目の今季は主に中継ぎで活躍。8月21日中日戦ではプロ初先発で勝利も挙げた。184センチ、81キロ。右投げ右打ち。

 ◆曽於(そお)市

 鹿児島県の東部にある大隅半島の北部に位置し、宮崎・都城市や鹿児島・霧島市、鹿屋市、曽於郡大崎町に隣接する。05年7月1日に曽於郡の末吉町、財部(たからべ)町、大隅町が合併して誕生した。人口は約4万人。畜産業が盛んで黒毛和牛、黒豚を生産。ゆず、すいかなども特産品として有名。元広島北別府学も同地の出身で「北別府学野球フェスタ」が行われている。