もう投げちゃうの?

 最多勝と最高勝率の2冠に輝いた中日山井大介投手(36)が未来のプロ野球選手を前にヒートアップした。29日、母校である奈良学園大のイベントに講師として参加。集まった地元の中学生投手20人を相手に2時間半もの長時間レッスンを展開した。熱が入るあまり、ブルペン投球まで披露した。

 純粋な中学生の期待に応えたかった。身ぶり手ぶりで指導していた山井がボールを握り、ミット目がけて腕を振った。オフも練習を継続しているが、この時期に傾斜があるブルペンで投球することは異例。それでも「中学生は技術を求める。僕もこの年になったし、持っていることを伝えることも使命」と熱かった。

 初心にかえった面もある。母校(当時は奈良産大)訪問は07年以来、7年ぶりだった。あらためて今季を振り返り「増やさないといけない数字と減らさないといけない数字がはっきりした」と、投球を見つめ直した。野球教室後は「3人くらいはすごい選手がいた」と興奮気味だった山井「先生」。ひょっとしたらプロの舞台で“教え子”に出会うかもしれない。