日本ハム中田翔内野手(25)が来季は開幕から左翼、一塁、指名打者の「三刀流」で臨む可能性が浮上した。3年ぶりのリーグ制覇に向けて必要不可欠なのは主砲のコンディション維持だ。今季は満身創痍(そうい)の中で自身初タイトルとなる打点王を獲得。ただ、本塁打は27本と昨季から1本減少。栗山監督も「あいつの力を引き出せていない。申し訳ない」と、もっと上のレベルを求めている。さらなる覚醒の秘策として、開幕時から複数ポジション制が検討されているもようだ。

 シーズンでフル稼働してもらう、とっておきのプランとなる。今季は左翼でスタートも、守備位置は転々とした。下半身のコンディション不良に悩まされたことが要因。シーズン序盤は右太もも裏痛。7月には左膝に死球を受け、走るのもままならない状況もあった。1年間、4番として働いてもらうために栗山監督らが講じた策。中田は器用な面もあり、チームでただ1人となる全試合出場も達成。首脳陣の期待に応えて、しっかり実績を残した。

 チーム事情も後押しする。来季から加入する新外国人野手2人は、守備に不安がないとの事前情報がある。ハーミッダは外野、レアードは一、三塁が専門。2月の沖縄・名護キャンプでの動きを見ながらだが、守備での負担は減りそうな状況。「今季は満足できる結果は残せなかった」と嘆いた中田が、体調管理優先の「三刀流」でチームを日本一へ導く。【木下大輔】

 ◆中田の今季先発

 左翼92試合、指名打者28試合、一塁22試合。3月28日の開幕戦から8試合連続で左翼だったが、一塁を挟み、体調を考慮され5月から指名打者が増加。7月は指名打者が10試合と最多だった。