日本ハムのドラフト1位有原航平投手(22=早大)が、まさに「単身」でプロの世界に飛び込んだ。8日、2軍施設の千葉・鎌ケ谷に入寮した。プロ野球選手の入寮は門出でもあり、家族とともに姿を見せるのが通例だが、有原はあえて1人での船出。勝負の世界に足を踏み入れる、強い決意を表した。

 車から降りてきたのは、有原…だけだった。早大の寮がある都内から電車とタクシーを乗り継ぎ、たった1人で千葉・鎌ケ谷の勇翔寮に姿を見せた。「(親が)忙しいというわけでもないんですけど、ここ(入寮)はもう、ひとりで…」。手荷物も段ボール箱など大きな物はなし。まさに身一つで、プロの扉を開いた。

 入寮はプロ野球選手としてのスタートの時。学生は通常、両親らを伴って、荷物を運び入れる。日本ハムでは前日7日にドラフト4位の石川直が入寮。一夜明けてこの日は、同3位浅間、5位瀬川、6位立田、7位高浜、8位太田、9位佐藤正が一挙に入寮した。社会人出身で28歳の瀬川以外は、両親や家族とともに現れた。球団関係者も「(単身入寮は)珍しいですよね」。有原は両親不在のため、自らの手に土産の広島銘菓「もみじまんじゅう」を携え、寮関係者に頭を下げた。

 勝負の世界に生きる、覚悟の表れでもある。「今は寒いので(スローイングは)やってないけど、いい状態にはなってきています」と、右肘痛も快方に向かっている。1年目から先発ローテーションを争うほどの、高い期待をかけられていることは自覚している。「終わったときに、いい1年だったなと思えるように頑張っていきたいです」。単身で乗り込んだのも、最低限の荷物しか持たなかったのも、野球だけに集中するためだ。

 早大の先輩でもある斎藤が使っていた寮の部屋が割り当てられた。「自分も頑張って、早く(一線で)投げられるようになりたいです。しっかりと動ける体をつくっていきたいです」。明日10日には鎌ケ谷で新人合同自主トレがスタート。存分に力を発揮し、チームには欠かせない、オンリーワンの存在になる。【本間翼】<主なドラフト1位選手の鎌ケ谷入寮>

 ◆ダルビッシュ有

 05年1月10日、母と弟を伴って寮に入った。ファン約200人が待ち受け、ダルビッシュコールも起きた。「きれいでいい感じ」と自室に満足げで、母には「まるでパラダイスや」と漏らした。

 ◆中田翔

 08年1月8日、朝が苦手のため目覚まし時計4個などを持参で入寮した。「2度寝してしまう」と不安そうで、同行した母も「並の起こし方じゃ起きないんです」と心配そうだった。

 ◆斎藤佑樹

 11年1月11日、父が運転する車で都内の病院へ行き、メディカルチェック後、球団関係者と鎌ケ谷に到着した。報道陣約200人、テレビカメラ18台が迎え、生中継もされた。

 ◆大谷翔平

 13年1月9日、地元岩手から父が運転する車で、栃木で1泊する2日がかりで入寮した。ダルビッシュから引き継いだ部屋には、ダルビッシュと稲葉の写真を飾った。