「世界平和」を活動理念に掲げる異色のチーム、開智未来が北本に快勝した。2試合連続のコールド勝ちで3回戦進出を決め、創部10年で初の2勝を挙げた。

初回、先頭から3者連続四球で好機をつくると、無死満塁で4番DH巷野拓夢(3年)が左中間へ走者一掃の適時三塁打。打線は勢いそのままに7番打者まで1アウトも取られない打者一巡の猛攻を見せ、この回一挙7点を奪った。終わってみれば10安打11得点と打線が爆発した。

投げては先発の寺内斗冴投手(3年)が6回2安打無失点、6奪三振、47球の快投。身長163センチと小柄ながら最速135キロの右腕が、ダイナミックなフォームで北本打線を封じた。「僕たちは確実に強くなってきているので、ここまでは当たり前という気持ちです。本当の恩返しはここからだと思っています」と力を込めた。

「創部10年で初めての2勝。子どもたちにとって大きな意味があると思います」。伊東悠太監督(39)は目を細めた。2年前に夏初勝利を挙げるまで白星をつかめず、大敗も重ねてきたチーム。それだけに、2試合連続コールド勝ちでつかんだ歴史的な2勝は、積み重ねてきた歩みの証しでもあった。

勝敗の先にある「人づくり」が、伊東監督の信念だ。ジャイアンツアカデミーで指導した経験を経て、その肩書を手放し、バックパッカーとして世界一周の旅へ。

エルサレムで出会った男性から「世界はいろいろな花が咲く庭だから美しい」と教えられ、「他者を理解することこそ平和につながる」と考えるようになった。

その思いから野球部は「世界平和」を活動理念に掲げる。「野球人ってすごいなと言われる人間になってほしい」。甲子園だけでなく、ユニフォームを脱いだ後も社会で信頼される人材の育成を目指している。【会田京叶】

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