いきなり快音連発だ。日本ハム大谷翔平投手(20)が24日、春季キャンプ地の沖縄・名護で宮西らとともに先乗り合同自主トレを開始した。今季初の屋外でのフリー打撃で、66スイングで12本の柵越えを披露。スコアボード上部へ直撃する特大弾も放った。投手だけでなく打者としても進化が期待される「二刀流」3年目。成長を実感する放物線に「手応えはある」と上々の本格スタートを切った。

 二刀流3年目の大谷がバットで猛烈デモだ。「暖かいので体が、よく動く」。この日、名護の最高気温は19・6度。ポカポカ陽気に乗った。フリー打撃で66スイング中12本の柵越え。衝撃は55スイング目だ。打撃ケージ横から見ていた陽岱鋼が「これ、ヤバイ」と声を上げた。打球は中堅方向へグングン伸びた。スコアボードの右上上部に直撃する推定140メートル弾。12本中8本が外野後方の約5メートルの防球ネットに直撃した。

 インパクト十分の内容にも、涼しい顔で振り返った。

 大谷

 まだ初日なので、いいとか悪いとかはないです

 22日に名護入りするまで、打撃は千葉・鎌ケ谷の室内練習場でティー打撃やマシン打撃で調整。同様のスケジュールで臨んだ昨年の同自主トレ初日は70スイングで柵越えは3本だった。大幅に上回っても「まあ(柵越えまで)近いですし、ここ」と笑顔はない。名護市営球場は中堅118メートル、両翼97メートルと狭い。数字に一喜一憂はしない。

 ポーカーフェースは崩さないが、確かな手応えは感じている。「去年より成長したかなと。全体的にですね」。今オフはウエートトレーニングなどの筋力強化で体重は2キロ増の約95キロとなった。「ウエートが(飛距離に)直結するか分からないけど、手応えはある」と言う。

 快調なスタートを伝え聞いた栗山監督は、いつも通り厳しい言葉で受け止めた。日本ハム本社のイベントに出席した大阪で「それが普通だって。当たり前」と称賛はなし。昨季10本塁打も、見据えるレベルは本人ともども高い。最近は最速162キロの投手としてクローズアップされがちな大谷だが、打者での進化も二刀流継続には必須。「しっかり体調を整えていきたい」。今後は投球練習も交えながら、投打で抜かりなく、2月1日のキャンプインまでに仕上げていく。【木下大輔】