中日のキャンプ地でまたトラブルが発生した。沖縄の合同自主トレに参加していた3年目浜田達郎投手(20)が30日、感染性胃腸炎と診断され、沖縄・読谷村の2軍宿舎で緊急隔離された。29日夜に発熱し下痢などの症状を訴えた。ノロウイルスの疑いもあり、キャンプイン目前に気になるアクシデント。球団は拡散防止に、手洗い、うがいの励行などあらためて選手らに徹底していく。

 まさかの形で「リタイア1号」がでた。2軍キャンプスタートが決まっていた浜田達が沖縄市内の病院で感染性胃腸炎と診断された。前日29日の練習には参加していたが、その日の夜に37度を超える発熱など不調を訴えた。数日間の静養が必要で、2・1のキャンプインには出遅れる見込み。さらに球団は対応に追われた。

 感染性胃腸炎は、ウイルスなどが原因となって発症する胃腸炎。集団感染するケースも多く、集団生活のキャンプでは一気に拡散する可能性がある。トレーナーに付き添われて病院から帰った浜田達は、すぐさま読谷村内のホテルでの隔離が決まった。自主トレ期間中は1人で部屋を使用していたため、相部屋の選手はいなかった。

 “見えない敵”だけに恐怖感が増す。人の手などを介して、口に入ったときに感染する「経口感染」の可能性が高いが、その経路は不明だ。現地の保健所と協議した西山球団代表は「保健所の指示に従いたい。現時点で感染経路は分からない」と説明した。チーム内では感染性が強いノロウイルス感染が確定したという情報も飛び交い、混乱も起こった。

 ここ数年、中日は沖縄でインフルエンザの猛威に悩まされている。一昨年には年明けから感染者が続出。沖縄でもその勢いが止まらず開幕までに10人以上の感染者を出した。今年は2度の予防接種を選手、スタッフに義務づけるなど対策をしたが、離脱者1号はインフルエンザではなくまさかの感染性胃腸炎だった。

 対策は手洗いやうがい、マスクの着用などしかない。この日沖縄入りした谷繁元信兼任監督(44)はマスク姿で「感染予防。だから言ってるじゃん。マスク!

 マスク!」と注意喚起をうながした。何とか拡大は食い止めたい。2人目、3人目が出ないことを祈るしかない。【桝井聡】

 ◆ノロウイルス

 下痢や嘔吐(おうと)の症状を伴う胃腸炎を起こすウイルス。主に冬場に流行する。カキなどの2枚貝を食べて発症する例が知られているが、ウイルスが人の手などを介して、感染するケースも多い。沖縄県感染症情報センターのホームページによると、19日から25日の1週間で協力医療機関から沖縄県内で98件の感染報告があった。<中日の沖縄キャンプでの騒動>

 ◆実弾騒動

 10年キャンプを終えて沖縄から移動する際、ネルソンが那覇空港の手荷物検査で実弾が見つかり、銃刀法違反で現行犯逮捕。球団から3カ月の出場停止処分を受けた。

 ◆死亡事件

 11年キャンプでは1軍北谷球場近くのアパートで米軍嘉手納基地所属の外国人男性が血を流し死亡しているのが見つかった。

 ◆薬物騒動

 13年キャンプでは外国人クラークが持っていた持病の薬の成分に覚せい剤の一種が含まれていたことが自己申告で発覚。覚せい剤取締法違反(所持、使用)の疑いで書類送検された(不起訴処分)。

 ◆インフルエンザ大流行

 13年は年明けから高木監督を含めてインフルエンザ感染者が増え続けて沖縄でも荒木らが感染。キャンプを打ち上げても感染が拡大した。