レジェンドも太鼓判!

 阪神の沖縄・宜野座キャンプで1日、ドラフト2位石崎剛投手(24=新日鉄住金鹿島)が、江夏豊臨時コーチ(66=野球解説者)にお墨付きをもらった。

 キャンプ初日のブルペンには15投手が入ったが、その中で江夏氏がくぎ付けになったのがルーキー右腕だった。「まだ名前と顔が一致しない。面白いと思うのは30番の子。スリークオーターで投げる子」と江夏氏。サイド気味の投球動作から重い球質の直球をズドンズドンと投げ込む。しかも、テークバックがコンパクトで球の出どころも分かりにくい。江夏氏が感じ取ったのは変則フォームがもたらす威圧感だった。

 「フォームが面白い。右打者への球は恐怖を感じるだろう。(打者が)頭に当てられたら嫌だと思わせるのも大きな武器だよ」

 肝っ玉ルーキーはキャンプ初体験と思えないほど、ひょうひょうと投げ続けた。58球の大半が速球。初めてスライダーも投げた。偉大なOBの高評価に「そうやって自分の名前を出していただけることはうれしいこと。社会人時代から、右打者に対して被打率が低かった。(打者の感想として)向かってこられる感じがすると。腰が引けるとは言われました」と自信を深めた。通算206勝のレジェンドを振り向かせるほどに、石崎の潜在能力は底知れない。自主トレ中、首脳陣や能見から力量に太鼓判を押されていたルーキーの注目度が一気に高まった。【酒井俊作】