ピン、と背筋が伸びていた。巨人内海哲也投手(32)が宮崎での春季キャンプ初日となる1日、ブルペン投球を行った。「波があった時に基本に戻れるような投げ方」を築くべく、オフは体の軸をしっかり作ることを意識してきた。それができれば投球時に体がぶれて崩れることもなくなり、好不調の波が減る。

 キャンプ初ブルペンで成果を見るべく、右足を上げた瞬間を、背面から5球連続で撮影した。重ね合わせてみると左足が1枚の写真のように重なり、体はほぼ左右にぶれることなく、地面と垂直になった。どの投球時でも正しく軸をつくれていることの証明といえる。内海は「技術的なことはまだまだです」と控えめながらも「バランスは良かった」と手応えも口にした。

 「足裏効果」も出た。フォームで重要視するのが「(左)足の裏です。しっかりと立つことを意識するためです」。1本足で直立した際、左足の裏に神経を集中させ、重心を乗せて力をためる。その下半身の力を上半身に伝達すべく、今オフにハンマーでくいを打つ練習法にも着手していた。

 この日の30球で多くの割合を占めた直球は、キレと速さが際立った。「いいスタートが切れた。キャンプ、オープン戦と2カ月あるので、その間もしっかりとしたい」。シーズンまでに、内海の軸はもっと美しくなる。【浜本卓也】