楽天嶋基宏捕手(27)が19日、契約更改交渉に臨み200万円アップの推定6000万円でサインした。選手会長1年目に東日本大震災が発生。グラウンド内外で奮闘した。4月2日に「見せましょう。野球の底力を」とスピーチ、開幕問題で揺れていた球界を前に動かす金言を残した。「一生懸命戦うまでは良かったが、結果が伴わなければ」と、来季は本業で暴れ優勝の原動力になると誓った。

 プロ野球選手としての第一義をよく理解していた。「スピーチと野球は別。野球人として情けないシーズンだった」と潔かった。5位に終わったチームの選手会長として、底力を見せる公約を完全には果たせなかった。「CSのかかった試合で4試合サヨナラ負け。悔いが残ります。来年8年目を迎えて、またBクラスでは納得してもらえない」。目標はもう定まっている。

 東北のファンと歓喜を分かち合う。「自分の成績は分からないが、優勝してファンの方と一緒に喜ぶことが一番です。実現できるよう、微力ですが投手、野手の橋渡し役を務めたい」と嶋。困難の先頭に立って、野球人として成長のただ中にいる。【宮下敬至】