<首都大学野球:東海大3-0日体大>◇第3週初日◇24日◇サーティーフォー

 今秋ドラフトの目玉、東海大・菅野智之投手(4年=東海大相模)が日体大を完封し、連続無失点記録を45回に伸ばした。94年に日体大・山内泰幸投手(現広島1軍投手コーチ)がマークしたリーグ戦記録まで、あと3回2/3に迫った。7安打を許すなど苦しみながらの通算28勝目。6回2死満塁のピンチを打ち取り、逆転負けした昨秋の明治神宮大会決勝でのトラウマも克服した。

 2安打と死球で招いた6回2死満塁。東海大・菅野には、打席に立つ日体大・白石が昨年の早大の4番山田にダブって見えた。同じ右打者。力を込める。この日最速の149キロで内角をえぐると、3球連続の直球で遊ゴロに打ち取った。珍しくガッツポーズを見せると、そのまま9回までスコアボードに0を並べた。

 7安打を許し、球速も150キロに満たない。決して本調子ではなかった。それでも「心のモヤモヤが抜けて楽になりました」と安堵(あんど)した。昨年11月の明治神宮大会決勝。日本一をかけた大舞台で、同じ6回2死満塁から早大・山田に逆転打を浴びた。「なんであの時カットボールを選んだんだろう」。自慢の直球で勝負せず、外角への変化球を痛打された。今度は逃げずに勝負したことで、自信も取り戻した。

 これで、昨秋から続くリーグ戦の連続イニング無失点記録は45回。広島の山内投手コーチが持つ48回2/3のリーグ記録更新が視野に入った。「調子が良かろうが悪かろうが、しっかりゼロで抑えたいですね」とエースの責任感は強い。7奪三振中5つを7回以降に取るなど、6回のピンチ後は調子を上げた。

 先輩たちから刺激ももらった。昨年の主将のロッテ伊志嶺をはじめ、日本ハム斎藤ら、ともに大学球界を盛り上げた選手が続々とプロの世界で活躍している。特に仲の良い巨人沢村には、21日の阪神戦後「初勝利おめでとうございます。負けないように頑張ります」とメール。前夜には「頑張れよ」と返信をもらった。

 日体大は全勝優勝を目指す東海大にとって最大のライバル。横井人輝監督(48)は「ここが大一番ですから。連勝できるよう、明日もいかせたい」と菅野の連投を予告。「反省を生かして明日につなげていきたい」と、菅野も期待に応えるつもりだ。【鎌田良美】