<全日本大学野球選手権:東洋大10-0道都大>◇10日◇準々決勝◇神宮

 東洋大(東都)藤岡貴裕投手(4年=桐生一)が、毎回の13奪三振で道都大(札幌学生)を7回2安打無失点に抑えた。奪三振数は2回戦の19と合わせて計32となり、1大会の最多奪三振記録49を射程圏内にとらえた。8回、4番戸田大貴内野手(3年=前橋工)が満塁弾を放つなど8回コールド勝ちで2年連続の4強入りとなった。九州共立大(福岡6大学)も、富士大(北東北)を7-5で下し準決勝進出。連投の大瀬良(おおせら)大地投手(2年=長崎日大)が抑えで登板し勝利を呼び込んだ。

 8日の福岡大戦で、大会タイ記録の19Kを奪った藤岡がまた魅せた。2回に四球を出した後の3者連続など、毎回の13K。対戦した10人全員を三振に切った。8回コールド試合で、今季初完封目前の7回で降板したが「少しでも短いイニングで、ということ。それで良かったと思う」と欲はない。

 2試合で奪った三振は32個に上る。連覇まで2試合を残し、創価大・八木(現日本ハム)が持つ1大会通算最多奪三振49にあと17と迫った。前回の直球とスライダーに加え、フォークとカーブでも1つずつ空振り三振。「準決勝と決勝を想定して、最近投げてなかった球も試したかった」と内容も充実していた。直球は、自己最速に1キロと迫る152キロをマークした。

 春のリーグ戦後半からは疲労がたまり、左腕の振りが鈍くなっていた。1日約30分シャドーピッチングでフォームを確認し、持ち前のキレも徐々に復活。ネット裏には、この日も日米13球団のスカウトが訪れた。

 ロッテは、今秋ドラフト会議での1位指名を正式に表明。「すごくうれしい。恥じないような投球を」と喜んだ。「ビッグ3」の東海大・菅野には巨人が、明大・野村には広島がすでに手を挙げており、うらやましいと思う気持ちもあったが、これでまた横一線だ。ここからは連戦。高橋昭雄監督(63)は「明日は内山」の先発を予告したが、必要とあらば、いつでも登板する準備はできている。【鎌田良美】