<東都大学野球:日大7-5青学大>◇第5週2日目◇6日◇神宮

 青学大の4番・杉本裕太郎外野手(2年=徳島商)がリーグ19年ぶりのサイクル安打を達成した。単打、本塁打、二塁打と続け、8回の三塁打で達成した。サイクル達成は92年秋の森田剛史(亜大)以来6人目。試合は日大が延長11回の末に勝ち、1勝1敗とした。

 188センチの長身打者・杉本がバットを上からたたきつけた。141キロの高め速球だった。8回1死二塁。詰まり気味の打球が中堅左を襲う。日大・井上彰が飛びついたが、届かない。一気に三塁へ。さらに本塁を狙う。「(本塁へ)行こうと思ったんですが、コーチが止めたんで」。50メートル6秒2の俊足。その制止があって、記録は達成された。8回の打席に入る前から記録は知っていたという。「記録よりも点を取らないと」。2回に中前打、4回に左ソロ本塁打、6回には右に二塁打した。「今日は上からたたけた」。これまで2割6分1厘で、長打はなかった。「バットが下から出ていた。たたけると飛ぶんです」。修正できて結果を出した。

 徳島商では投手だった。入学後に志願して打者に転向した。金属から木製に変わり当初はバットを折るばかりだったという。それでも「打つことの方が好きなんで」。1年時から指名打者で出場する。今季は中堅を任され、不動の4番だ。「チャンスに打てる4番になりたいです」と目標をあげた。

 チーム初安打に始まり、初得点のソロ。さらには2点目、一時は同点とする4点目もたたき出した。それでも終わってみれば、負け試合だ。「勝ちたかったなあ」。活躍が勝ちにつながらず、最後はこうつぶやいてロッカー室に走った。【米谷輝昭】

 ◆杉本裕太郎(すぎもと・ゆうたろう)1991年(平3)4月5日生まれ。徳島県阿南市出身。小学1年で野球を始め阿南中3年(軟式)ではエースで3番を任され、四国大会ベスト4。徳島商では1年夏に甲子園に出場したが、出番なし。高校通算12本塁打。家族は両親と祖母、姉2人。188センチ、80キロ。右投げ右打ち。