負けたくないから、強くなれる。日本ハムのドラフト1位指名を拒否し、1浪を表明した東海大・菅野智之投手(4年=東海大相模)が7日、神奈川・平塚市の同大グラウンドで始動。一足早くプロの世界に飛び込む広島1位の明大・野村、ロッテ1位の東洋大・藤岡にライバル心を燃やし、「2人より上のレベルで入れるよう、1年間過ごしていく。1日も早く一緒の舞台でやりたい」と進化を誓った。
野村、藤岡とは昨年「ビッグ3」と呼ばれ注目された。菅野には、その中心となって世代を引っ張った自負がある。「素直に頑張ってもらいたい思いはあります。でも入った時に差がついてないように、むしろその上をいけるようにしないと」。仲が良いからこそ、2人よりも成長することで、自分の選択が間違いでなかったと証明したいのかもしれない。
浪人は険しい道だ。自分にも負けられない。そこで菅野は、自ら2月の沖縄キャンプ帯同を志願した。「シート打撃や紅白戦で投げて、自分にもチームにもプラスになればいい。公式戦の場には立てませんけど、4年間投げた経験が(ドラフトまでの)たった10カ月で崩れるとは思わない」。実戦不足にも不安はない。東海大の「卒業延期制度」を利用し、大学に籍を残したまま学内でトレーニングを続ける道を選んだ。
「ある意味自由がきく1年」は、結果が良くも悪くも自己責任になる。負けん気の強い菅野は、逆境でなお火が付く。「常に150キロを超えるボールを追い求めていきたい」と、速球派のプライドも忘れてはいない。すべては、巨人入団実現のためだ。伯父の原辰徳監督(53)らと参拝する恒例の初詣は「もう1度頑張るので、何とか夢を後押ししてください」と祈願した。「あの決断で良かったと思える年にしたいです」。勝負の1年が始まった。【鎌田良美】



