<東都大学野球:亜大2-1東洋大>◇第1週初日◇1日◇神宮

 今秋のドラフト1位候補、亜大・東浜巨投手(4年=沖縄尚学)が力強さを取り戻した。ワインドアップモーションから最速144キロの直球を軸に、東洋大から本年度のリーグ戦自己最多となる9奪三振。12球団37人のスカウトの前で、7安打1失点完投した。これで通算勝利を32勝(18敗)とし、歴代9位の阿波野秀幸(亜大)らに並んだ。

 東浜が恵みの雨でよみがえった。1回に1死から3連打で先制点を許したが、2回表が終了した時点で雨が激しくなり19分間の中断。「立ち上がりは少し慎重になりすぎて点を取られたけど、うまく間を取れた」。ベンチ裏で体操、ストレッチをしながら「やるしかないと割り切った」とリフレッシュ。今年初めて三振を狙うと、3者連続三振。1回から含めると5者連続三振で流れに乗った。

 5回2死二塁から7個目の三振を奪うと、珍しくガッツポーズでほえた。「狙ったところに投げられて、真っすぐで空振りが取れたので」。変化球の制球に多少のバラつきはあったが、直球は最速144キロ。右肘痛の影響で出遅れた春とは違い、直球に対する自信がみなぎっていた。

 突貫工事でフォームを改造していた。春はセットポジションとノーワインドアップで制球を重視。8月中旬の北海道キャンプで直球の力感復活を求め、オープン戦3試合で全球直球勝負を挑んだ。徐々に感覚を取り戻していたが、帰京後のロッテ戦と早大戦で打ち込まれた。生田監督と相談し、開幕2日前、ワインドアップモーションで左足をゆっくり上げるフォームに変更。「1年の時にしていた原点に戻った。間ができるので自分のタイミングで投げられ、打者も見られる」と手応えをつかんだ。

 リーグ戦での9奪三振は、昨秋の中大3回戦以来。8回に右足ふくらはぎをつるなど「最後は少しバテた」ため、3年春以来の2ケタ三振には届かなかった。それでも「指に掛かったボールは春より増えた」と力強さを取り戻し、何より重視するチームを勝利に導いた。

 これで歴代9位タイの通算32勝目。「最後のリーグ戦。悔いの残らないようにして、後輩にしっかりバトンを渡したい」と、亜大の3連覇へフル回転する。【斎藤直樹】