<東都大学野球:東洋大2-0青学大>◇第2週初日◇11日◇神宮

 東洋大が青学大を下し、今季初勝利を挙げた。先発の能間隆彰投手(3年=桐蔭学園)が9回2死まで4安打無失点と好投。第1週の亜大2回戦では被安打1で敗れた技巧派左腕が、通算2勝目で前回登板の悔しさを晴らした。

 東洋大に技巧派新エースが誕生した。初めて1回戦の先発を託された能間が、9回2死まで4安打無失点の好投。一、三塁として惜しくも交代となったが「あそこまで行ったら完封したかったけど、チームが勝ててよかった」と納得の表情を浮かべた。高橋昭雄監督(64)は「完封させてあげたかったけど疲れていた。今日は能間に尽きる」と絶賛した。

 最速143キロをマークした直球は1割程度で、投球の約9割がスライダーとカットボールという技巧派左腕だ。「変化球はカウントも取れたし、2ストライクからは低めに決まった」。スライダーは左打者に対して「勝手に」縦に落ち、右打者には横に曲がる。OBの松沼雅之特別コーチ(56=元西武)には「曲がりが遅いので曲げようとするな」と、持ち味を生かすよう助言を受けている。

 開幕週では1安打無四球で完投しながら、自責点0で敗戦投手となった。1イニング3奪三振ながら2つの振り逃げなどで1失点と、スライダーの鋭さが仇(あだ)となった。悔しさを胸に臨んだこの日は「捕手が止めると言っていたので信じて投げた」。前の試合で3個記録したバッテリーエラーは0。特長を消さず、勝利につなげた。【斎藤直樹】

 ◆能間隆彰(のうま・たかあき)1991年(平3)9月26日生まれ。神奈川県出身。中学では軟式。桐蔭学園では高3夏に神奈川大会準優勝も甲子園出場はなし。181センチ、85キロ。左投げ左打ち。リーグ戦通算7試合2勝1敗、防御率1・11。血液型A。