<東京6大学野球:明大5-0東大>◇14日◇第1週第1日◇神宮

 野手一刀流、やるなら今でしょ!

 今秋から野手に専念するドラフト上位候補、明大・岡大海内野手(4年=倉敷商)が、開幕カードで先制点につながる二塁打を放ち、勝利に貢献した。2盗塁と足でも猛アピールした。

 勝負の秋の第1打席。2回無死から、4番岡は内角高めに入ったスライダーを見逃さなかった。「高めのボールに、素直にバットが出たと思います」と言った。チーム初安打となる左翼線二塁打で出塁。犠飛で、先制のホームを踏んだ。

 投げては最速152キロ。投打二刀流にこだわり、春までは投手の練習も積んできた。それを断念。野手一本でプロに挑む決意を固めた。「今まで両方やってきて、思うような結果が出なかった。4番も任されているし、チームに貢献したい」と決心。最後に投げたのは、7月4日の四国銀行戦。8月の長野キャンプでは初めて一日中野手だけのメニューで、早朝から振り込み、特打とフルメニューをこなした。

 倉敷商-明大は、優勝目前の楽天星野監督と同じ経歴。昨年末には記念行事で闘将と対面した。「遠い存在ですけど、自分たちも春秋連覇を目指したい」と、快進撃に続く決意だ。

 失策で出塁した4回、8回はともに50メートル5秒8の俊足で二盗を決めた。広島苑田スカウト統括部長は「足はプロの中に入ってもトップクラス」と高評価。岡は「日本一にならないと自分の評価は上がらない。個人としては3冠王を取りたい」。勝負の秋に強い覚悟で挑む。【前田祐輔】