<仙台6大学野球:仙台大12-2東北大>◇第3週最終日◇27日◇東北福祉大球場

 昨秋の3冠王、仙台大の松本桃太郎内野手(2年=北海)が待望の今季1号を放った。4回裏、3ランを右翼スタンドへ運んだ。チームは東北大に5回コールドで勝った。

 松本は狙っていた。2点リードの4回裏2死一、二塁。直球を2球続けられた後の3球目。「スライダーがくる」。読み通り、内角低めのスライダーを引っ張り、打球は右翼を越えた。今季1号は大学通算5号。「1本出てホッとした」と、胸をなで下ろした。

 昨秋、リーグ史上初の1年生3冠王になり、この春は相手投手が警戒する。この日までの4試合で打点は8だが、打率は2割3分。「まだまだ打っていない」と反省するが、初登板で先発した馬場皐輔(1年=仙台育英)に大学1勝をプレゼントした。「ルーキーなのでバックアップするつもりだった」と、自分のことのように喜んだ。

 視線は、春8連覇を狙う東北福祉大との第5節(5月10、11日)に向く。「優勝したい」。1発という「きびだんご」を手に入れた仙台の桃太郎が、鬼退治に進撃を始めた。【久野朗】