<東京6大学野球:早大11-0東大>◇第4週第1日◇3日◇神宮

 リーグワーストタイの70連敗中だった東大が早大に敗れ、ワースト記録を更新する71連敗を喫した。10年10月の秋季リーグで斎藤(現日本ハム)が先発した早大から挙げたのを最後に白星がなく、1925年のリーグ創設以来の通算成績は244勝1545敗55分け。

 1回、チーム初安打を放ったのは1番飯田裕太内野手(3年=刈谷)だ。早大・有原の148キロ直球をたたきつけた。2つの内野ゴロで三塁に進む。4番が三振に倒れ無得点だったが、狙い通りの攻撃だ。試合前日は打撃マシンを通常より10キロ速い155キロに設定。「フライを上げないことを意識しました」と言った。

 刈谷(愛知)では3年夏に県大会準優勝。東大OBの熱心な誘いがあり、1浪して入学した。浪人時代も受験したのは東大だけ。数学など理系は80近い偏差値があった。「恵まれた環境で、高いレベルの相手と野球ができる。だから東大に入って野球がしたかった」。

 先発したエース辰亥由崇投手(3年=高松)も1浪で入学した。先発メンバー中4人が浪人生。6大学最後の昭和生まれ、4浪で入学した25歳の石上翔太投手(4年=栄光学園)は、「ジャイアントキリング(番狂わせ)」がテーマだ。「強い相手に立ち向かうのが好き。受験勉強もそう。一般的には無理と言われる相手に挑戦したい」と言う。高校時代の成績は下から10番目。受験では2浪時に早大、慶大に合格したが浪人を続けた。「1度東大と決めたので、他の大学に行くのは逃げ。男としてしたくなかった」。連敗ストップへ、ブルペンで今日4日の2回戦登板に備えた。

 スポーツ推薦はない、日本最高峰の大学。浜田一志監督(49)は「野球の神様になかなか認めてもらえないけど、信じて努力を続けます」と言った。何度負けても、強豪に立ち向かっていく。みんな東大で勝ちたいんだ。【前田祐輔】