<東京6大学野球:早大2-0明大>◇第6週第1日◇17日◇神宮

 今秋ドラフトの目玉、早大・有原航平投手(4年=広陵)が、4安打7奪三振完封で、リーグトップの4勝目を挙げた。自己最速156キロに迫る、今季最速タイの153キロをマーク。現役最多タイの通算17勝目で、明大に先勝した。

 昼は有原、夜は広島前田が気になる存在だ。

 神宮には、国内11球団に加え、レッドソックス、ドジャース、ジャイアンツ、ダイヤモンドバックスなどメジャー7球団以上のスカウトが集まった。大リーグのスカウト陣は、早大戦後に、神宮から巨人-広島が行われた東京ドームに大移動。1位候補に挙げる巨人は原沢GMを含めて、7人態勢でチェックした。今季初のアマチュア視察になった同GMは「非常にスケールの大きさを感じる選手。スピード、球種、身体能力を含めて、そういうものを感じる」と言った。

 周囲がヒートアップする中、有原は期待通りの力を見せる。2回には今季最速タイの153キロをマーク。9回2死から投じた119球目も150キロだった。「スピードはいつもより出ていたと思います。真っすぐと落ちる球が良かった」と言った。直球にチェンジアップ、ツーシームを織り交ぜ、強豪明大に付けいるスキを与えなかった。

 完封は、4月12日の開幕戦以来。試合がなかった先週末は、3日連続で外野ポール間を約50本走り、体の切れを出した。現役トップタイの17勝目で、4季ぶりVへ、勝率で1位に立った。「1年間で10勝はすると決めてます」と、チームのために勝利を追い求める。【前田祐輔】