東都大学リーグで優勝12回を誇る青学大・河原井正雄監督(60)が、今季限りで退任することが11日、分かった。専大との入れ替え戦に敗れて来春の2部降格が決まったが、降格による退任ではなく、1部残留しても、後進に道を譲ることは心に決めていた。後任は善波厚司コーチ(47)が昇格する。「戦国東都」の一時代を築いた名物監督が、ユニホームを脱ぐ。

 河原井監督は桐生(群馬)-青学大-ホンダを経て、87年秋に監督に就任。88年秋に創部106年目で1部リーグ初優勝に導いた。93年に侍ジャパンの小久保監督を率いて、全日本大学野球選手権で初優勝すると、同選手権で16連勝するなど、4度日本一。自主性を尊重する指導で、ロッテ井口、ヤクルト石川ら多数のプロ選手を育てた。09年秋の入れ替え戦で初めて2部に降格するまで、22年間1部を死守。10年秋から1部に再昇格したが、優勝は06年春から遠ざかっていた。

 青学大のコーチに就任してから30年目ということで、引き際についての検討を重ねてきた。先月末には学長にも退任の報告を行った。この日の試合後は「選手は一生懸命やった。ここまできたら、どうこう言ってもしょうがない。この経験を次に生かして欲しい」と話し、神宮を後にした。