第45回明治神宮野球大会が今日14日に東京・神宮で開幕、大学の部に4年ぶり2度目出場となる東農大北海道(北海道2連盟=北海道6大学)は明日15日の1回戦で京産大(関西5連盟第2=関西6大学)と対戦する。ヤクルトに2位指名されたエース風張蓮(4年)は、来季から主戦場とする球場で、北海道勢28年ぶりの白星奪取に挑む。

 厳かな雰囲気に包まれた拝殿で、東農大北海道の最速152キロ右腕は祈った。「うまく力を貸してくれれば、いいなと思う。初めての経験だったので、緊張感がありましたね」と風張。これまで大学選手権で神宮のマウンドを踏んだ経験はあるが、明治神宮大会出場は初めて。同大会で慣例となっている開会式前の明治神宮参拝で静かに目を閉じ、初戦で投げる自分の姿を思い描いた。

 プロ入り前に、どうしても成しておきたいことがある。「雨と重なって、神宮にはいいイメージがないんですよ」。昨年の全日本大学選手権。初戦の道都大戦で2番手でマウンドに上がったものの制球に苦しみ、わずか1/3回で降板した。神宮のように赤土のマウンドは、一般的に水を含むと滑りやすくなるといわれる。「雨だとうまく踏ん張れない感じがしたので、晴れることを祈っています」。神頼みだろうが、構わない。来季から職場となるヤクルトの本拠地で、悪いイメージを一掃したかった。

 北海道勢は初戦5連敗中で、東農大北海道が勝てば86年の札幌大以来28年ぶりの白星となる。風張自身も、3度目の挑戦で、神宮初勝利が懸かっている。チームは7日から関東入りしており「こっちは暖かいので、体も動いている。いい具合で球のキレも出てきた」と、大学最後の大会に向けて仕上がりは上々だ。「変化球をしっかり交えながら、真っすぐで押して行けたら。最速は出ればうれしいけれど、まずは、しっかり抑えることを意識して投げたい」。スピードへのこだわりは封じ、貪欲に白星だけを狙う。【中島宙恵】

 ◆北海道勢の成績

 大学の部は別表の通り77、86年の札幌大4強が最高成績。高校の部は05年に駒大苫小牧が6-2清峰(長崎)4-3高岡商(富山)5-3早実(東京)5-0関西(岡山)で初優勝を果たし、4強は9度(札幌商=74年、北海=94年、函館大有斗=96年、駒大岩見沢=98年、北照3度=99・11・12年、鵡川2度=03・08年)。