ソフトB1位巽目標は20勝/ドラフト
秋山ホークス初代ドラフト1位は、149キロ右腕-。30日に都内で行われたドラフト会議で、ソフトバンクに1位指名され、京都市内で会見に臨んだ巽(たつみ)真悟投手(21=近大)が、早くも「20勝」の大目標を掲げた。昨春の京大戦で1試合23奪三振の関西学生野球リーグ新記録をマーク。即戦力右腕らしく、03年に20勝を挙げた斉藤和巳投手(30)への弟子入りを志願し、先発入りに挑む。巽を含め、指名選手7人中投手が6人と、投手力アップを目指す秋山新監督の方針が反映された。
クールで端正なマスクの裏に、巽が早くも野望を燃え上がらせた。ソフトバンクから「外れ」ながらも1位で指名を受け、緊張で硬くなったほおを緩めたのは一瞬だけ。すぐに口元を引き締めた。「投手のレベルが高いイメージ。少しでもチームに貢献したい。勝てれば勝てるほどいい」。近大の榎本監督から「顔が似ている」と評判の楽天岩隈を引き合いに出され「15勝とかでなく、大きな目標を持て。20勝できる才能はある」と振られると「20勝…。頑張ります」と壮大な目標を口にした。
実力は折り紙付きの「23K右腕」だ。最速149キロの直球と縦に変化するスライダーを武器に、昨春の京大戦では1試合23奪三振のリーグ新記録をマーク。またこのシーズンの同大戦では無安打無得点試合も達成した。
自他ともに認める鉄腕の持ち主でもある。生まれつき肩関節が軟らかく「大きなけがはしたことがない」。小2から野球を始め、投手に転向したのが和歌山・新宮高2年の秋。スタミナをつけるため1日おきに300球以上の投げ込みを命じられ、高3時には1日500球を超えたこともある。捕手3人を相手に、放課後から夜までかかって達成したという。「あれで自信がついた」。高2秋から翌年夏に県大会準々決勝で敗れるまで、誰にもマウンドを譲ることなく1人で全試合を投げきった。
「20」の数字にはこだわりがある。大学通算成績は19勝4敗。今秋はフォームが安定せず4勝にとどまり、目標にしていた大台にあと1歩で届かなかった。チームもこの日、秋季リーグ2位が決定して優勝を逃した。悔しさの一方で「変化球を打たれる場面が多かった。基本に戻って直球を磨かないと」と課題がハッキリした。03年に20勝した斉藤の名を挙げ「僕と同じ右の長身投手。学ぶことは多いと思う」と弟子入りを熱望した。
チーム内競争にも負けるつもりはない。指名直後には近大で2年先輩にあたる大隣からさっそく電話があった。「まさかオマエも来るとはな。一緒に頑張ろう」と激励され「また、お願いします」と遠慮がちに答えたが、電話を切ると「同じチームでやる以上は(大隣にも)負けたくない」と秘めた闘志をのぞかせた。まだ足を踏み入れたことさえないという博多の地で、巽の伝説が幕を開ける。【太田尚樹】
[2008年10月31日11時36分 紙面から]
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