ロッテからドラフト2位指名されたホンダの長野久義外野手(23)が入団を拒否することが3日、分かった。4日に埼玉県狭山市内の同社合宿所でロッテに正式に断りを入れた後、記者会見を行う予定。長野は日大時代の06年に大学・社会人ドラフト4巡目で日本ハムに指名されたが、巨人を熱望して入団を断り、ホンダに入社した。初志貫徹とホンダで完全燃焼できていないことが拒否を選択させた。来年、「三度目の正直」で巨人からのドラフト指名を待つ。

 長野が悩み抜いた末に、ホンダ残留を決断した。「今日結論を出しました。ロッテさんから高い評価をいただき、大変ありがたかったんですが、ホンダでやり残したことがあるという気持ちから残留を決めました」と心中を明かした。

 今年は主に4番として東京大会、都市対抗、日本選手権の3大大会出場。都市対抗は4強入りし、新日本石油ENEOS・田沢から2安打を放つなど存在感を示した。だが11月の日本選手権で初戦敗退し、チームに貢献できなかった思いが強いという。

 ロッテ瀬戸山隆三球団社長は「(長野側から)連絡を受けた。引き続き入団に向けて根気強く交渉していきたい。長野君のことを思えば、今回プロ入りするのが正しい選択だと思う」とあきらめない姿勢。4日にも狭山市内のホンダ合宿所で最後の話し合いを行う予定だ。

 長野は日大時代の2年前に大学生・社会人ドラフト4巡目で日本ハムに指名された。だが、巨人入りを熱望して入団を断り、ホンダに入社した。ホンダ・安藤監督は11月24日にロッテと初交渉した後「長野は(巨人入りの)夢を持って入ってきた子なので、夢に向かって育てている」と話した。周囲も幼少のころからの強い思いを理解し、結果的に貫いた形となった。

 今回、ロッテは交渉権確定後にバレンタイン監督自らがドラフト会場から合宿所に直行。指名あいさつを行ったが、長野は姿を見せなかった。その後、ロッテ側は契約金1億円プラス出来高払い5000万円、年俸1500万円の最高条件を提示。背番号を含めて本人の希望を極力聞き入れるというVIP待遇を用意したが、熱意は届かなかった。

 これにより長野は来年のドラフトで「三度目の正直」で巨人からの指名を待つ。現在の制度では1位指名が入札のため、競合した場合は抽選となる。確実に巨人に入団できる保証はない。それでも長野は以前、「何度でもチャレンジする男が1人くらいいてもいいんじゃないですか」と話していた。再び信念を押し通した。