目指せ「立浪2世」。中日ドラフト1位の日本通運・野本圭外野手(24)が4日、都内の同社本社で契約金1億円プラス出来高5000万円、年俸1500万円の最高条件で仮契約した。あこがれの選手に打撃コーチ兼任の立浪和義内野手(39)を挙げ、弟子入りを志願。1番センターでの開幕スタメンに向け、沖縄春季キャンプで2000本安打打法を身につける。中日はドラフトで獲得した全9選手(育成選手2人を含む)との仮契約を完了。13日に名古屋市内で新入団発表を行う。

 あこがれの選手を聞かれた野本は、迷わずミスタードラゴンズ・立浪の名前を口にした。同じ左打者として小さなころから尊敬しており、「天才」と評される打撃に熱視線を注いできたという。教えをこえる環境に感謝し、迷わず弟子入りを熱望した。

 「僕はホームランバッターではないし、アベレージを残せる打者になりたい。立浪さんはすごくあこがれの存在だし、最高のお手本。ぜひ話も聞いてみたい。同じ左打者だし、タイミングの取り方が上手。どんな球種に対しても一定のタイミングで対応していて、自分の間を持っている。2000本安打も達成されていて、結果も残している方。言われたことをしっかり取り入れていきたい」

 立浪のプロ野球人生そのものが手本になる。87年ドラフト1位で中日入りした立浪は、1年目の88年に遊撃のレギュラーとして110試合に出場した。プロ21年間で歴代8位、現役トップの2459安打を放っており、末永く活躍できる選手を目指す野本にとって、これ以上の目標はない。

 野本は大学1年春に左足内転筋を痛め、約1年間を棒に振ったことで取り組み方が変わったという。「自分に志やひたむきさが欠けていたことを知らされた」。1年間ケガなくプレーできる体を作り、あこがれの立浪にも積極的にぶつかっていくつもりだ。

 目指すは開幕スタメン。「レギュラーはそう簡単には取れるものではないけど、もちろんなりたい。1番?

 できれば打ってみたい。がむしゃらになって頑張ります」と、新人では06年藤井(2番センター)以来3年ぶりとなるスタメンデビューを狙う。

 ナゴヤドームでプレーする姿もすでにイメージできている。「ドームは広くてフェンスも高いので、間を抜けるようなバッティングができればベスト。ファンの方に1日でも早く名前と顔を覚えてもらえるように頑張りたい」。走攻守三拍子そろった期待のルーキーの挑戦が、いよいよ始まる。【福岡吉央】