プロ野球ドラフト会議が29日、都内で行われ光星学院の148キロ右腕・下沖勇樹投手(3年)が、ソフトバンクから3位指名を受けた。下沖は「ソフトバンクはどんな球団か分からないけど、前向きに検討したい」と巨人坂本以来、同校出身5人目のプロ誕生に意欲的だった。
運命の時をテレビの前で迎えた下沖は、ソフトバンク関係者が指名用紙に3位選手を記名する手の動きを、じっと見つめていた。「『樹』と書いているのが見えた。『自分と同じ字の選手がいるんだな』と思いました」。次の瞬間、自分の名前がコールされると、驚きの表情を浮かべた。ソフトバンクから“予想外”の3位指名。「ビックリしました。うれしいです」と我にかえり、喜びを爆発させた。
西武に1位指名された菊池とは親しい間柄だ。高校で2度、投げ合い1勝1敗の五分。また、光星学院OBの巨人坂本とも、交流戦などで対戦可能だ。「(菊池とは)同じリーグなのでいつかは投げ合いたい。坂本さんともやってみたい」。最高の舞台でのライバルとの再戦、先輩への挑戦を誓った。
ソフトバンクの本拠地・福岡県には行ったことがないという下沖だが「福岡」には縁がある。岩手・福岡中3年で全国制覇を経験しており「つながりがあるんですかね」。現在、携帯電話はドコモを使用しているが「すぐ(ソフトバンクに)替えないと」と気分はすっかりソフトバンクの一員だ。
前日28日には、兄正樹さん(25)からメールで「選ばれるといいな」と激励された。記者会見後、岩手・二戸市の実家で吉報を待つ母和子さんに電話で指名を報告。人生で初めて「ありがとう」の言葉を伝えるためだったが「電話したら泣いていた。感謝の言葉も言えなかった」と少し後悔していた。伝えられなかった思いは、プロのマウンドで表現する。【湯浅知彦】



