<神宮大会:日大三4-1鹿児島実>◇最終日◇18日◇高校の部決勝◇神宮

 日大三(東京)が4-1で鹿児島実(九州)を下し、初優勝を果たした。先発右腕、吉永健太朗投手(2年)が自己最速タイの147キロをマーク。8安打を浴びたが要所を締め、3戦連続完投でV腕となった。東京地区には、来春の選抜大会の「神宮大会枠」が与えられ、都大会準優勝の国学院久我山が濃厚。残る関東の5枠目は、関東大会8強で敗れた4校を中心に選考される。

 9回1死、併殺の完成を見届けた吉永の笑顔が弾んだ。1人で投げ切った日本一のマウンド。「目標だった。うれしい」と喜びをかみしめた。7回には自己最速タイの147キロを計測。すべて力で押すことなく奪三振4と、完投する意志があった。

 技術への探求心も強い。大会前「肩に負担がこないよう」(吉永)ひじが背中側に入りすぎるテークバックを修正した。寮では目標の日本ハム・ダルビッシュの著書「変化球バイブル」を熟読。月に1度実家に帰るが、父巌(いわお)さん(43)が撮り続けてくれた投球写真を手にしながら、リリースポイントを確認、反省する。来春センバツへ「失点しない投手を目指す」と高い目標を掲げた。甲子園は今春公式戦デビューを果たした地。もうひと回り大きくなって帰る。