社会人野球JR北海道の147キロ右腕、武藤好貴投手(24=中京大、札幌藻岩高出)が、プロの指名を心待ちにしている。ドラフト会議は明日27日、東京都内で開催される。運命の日が直前に迫った25日、JR恵庭球場で軽い調整を行った武藤は「上位が希望ですけど、どの球団でも行きます」と前向きな姿勢を示した。

 今季は会社の不祥事により、公式戦1試合に登板したのみだったが、先月まで各球団が練習を視察。今月に入り、横浜、ヤクルト、阪神を除く9球団から調査書提出の依頼があった。アピールする場は少なかったが、変わらず高い評価を受けており、上位指名の可能性もある。

 最速147キロの直球と変化球を武器にこの2年間で公式戦16試合10勝3敗の成績を残した。昨年はJABA岡山大会で初優勝、昨年日本選手権では初の8強にチームを導いた。狐塚賢浩監督(45)は「社会人なのでそれなりの評価はしてもらえると思います。変化球の制球がいいところをプロは評価している。度胸も良くプロ向き」と話す。指名されれば道内社会人チームの道産子では92年以来19年ぶり。武藤は「何も考えず待つだけです」と真っ白な気持ちで朗報を待つ。【中尾猛】

 ◆武藤好貴(むとう・よしたか)1987年(昭62)7月22日、札幌市生まれ。野球は札幌石山南小4年から始める。札幌石山中では軟式、2番手投手。札幌藻岩高では2年秋に全道大会準優勝。中京大4年春には愛知6大学リーグ優勝。昨年4月、JR北海道に入社。昨季は北海道野球連盟のベストナイン、新人賞。家族は両親と姉2人。178センチ、74キロ、右投げ右打ち。

 ◆社会人チームから北海道出身者のドラフト指名

 92年にたくぎんの佐藤真一外野手(東海大-東海大四高)がダイエー4位、同じたくぎんの吉井晃投手(北海道工大-旭川実高)が横浜6位に指名されたのが最後。道外の社会人では05年に日本通運の古谷拓哉投手(駒大-駒大岩見沢高)がロッテ5位で入団した。