西武は都内でドラフトの絞り込み作業を行った。球団初の育成ドラフトへの参加を検討しており、5~6人を指名予定。1位候補にはJR東日本・十亀(とがめ)剣を最終リストに残しており“一本釣り”を狙って勝負に出る可能性もある。競合した場合は、渡辺監督が満を持してクジを引く。昨年まで2年連続で抽選を引き当てている同監督は「もうないでしょう。入れ込んではない」と自然体で臨む。

 右サイドから最速148キロを繰り出す十亀の評価が急上昇している。本格派の変則投げに大きな魅力と可能性を感じており、駒が少ないチームの補強ポイントにも合致する。マークを続けてきた東洋大・藤岡、明大・野村は競合が必至。スカウト陣は「十亀は上位で間違いなく消える存在」と声をそろえるだけに、競合を避ける選択肢も十分考えられる。

 1位について、鈴木球団本部長兼編成部長は「外れることは考えてません。これまで同様、考えないようにしようということです」と強調した。菊池、大石と6球団が競合した大物を獲得した際にも、外れ1位はあえて決めないで会場入りした験を担ぐようだ。