巨人が「ノムさん2世」の獲得を狙っていることが26日、分かった。京都の洛北高、芳川庸(ちから)捕手(3年)だ。同捕手は、9月に行われた入団テストで唯一人、合格。育成枠の可能性が濃厚ながら、球団は今日27日のドラフト会議での指名を検討している。京都の公立高校卒、捕手、テスト入団と言えば、楽天野村克也名誉監督と全く同じ経歴だ。

 峰山高から南海にテスト入団し戦後初の3冠王、歴代1位3017試合出場、歴代2位657本塁打など、数々の金字塔を打ち立てたノムさんだが、スタートは入団テストだった。芳川は183センチ、102キロの巨漢を生かした高校通算39本塁打の長距離砲。猛練習とデータ活用で球界第一人者に上り詰めたノムさんと同じ道のりが期待される。

 京都出身の頭脳派という共通点も見逃せない。球団関係者は「頭がいいのは一芸なんですよ」と話す。入団テストを申し込む際の志望動機の文章が素晴らしいと目に留まったという。洛北高は、1870年に日本最古の旧制中学校として創立された京都一中を前身とする、伝統ある進学校。芳川も進学クラスに所属し、同校野球部の佐藤監督によれば成績は「クラスの中くらい。現役で大学進学を目指しても、学力的には問題ないです」と、文武両道を実践。当初は大学進学を想定していたが、テストに合格したことでプロ挑戦を決意した。硬式のバッティングセンターに通い、運命の日を待っている。