日本ハムからドラフト1位指名を受けた東海大・菅野智之投手(22=東海大相模)の入団交渉が、一時「凍結」されることになった。指名から一夜明けた28日、日本ハム大渕隆スカウトディレクター(41)らスカウト3人が、神奈川・平塚市の東海大野球部合宿所を訪れ、横井監督らに指名あいさつを行った。本人は同席しなかったが、席上では、突然の指名で困惑させたことを謝罪。本人、大学側の意向を受け入れ、今季の公式戦全日程が終了するまで、交渉や視察など接触を行わないことを約束した。
約25分間の“初接触”の末に決まったのは、「交渉凍結」だった。強行指名から一夜明け、日本ハムのスカウト3人が、東海大野球部の合宿所を訪れた。授業のため不在だった菅野本人とは面会できなかったが、横井監督、宮崎部長へ指名の経緯を説明。その席で、大学側の意向であった、今季の全日程終了までの「禁接触」を受け入れた。
大渕スカウトディレクターは「本人が、日本一を目指したいと話していると聞きましたし、我々もそれを強く感じています。今できることは(交渉を)控えるということ。今は野球に集中してほしいです」と相手への配慮を示した。入団交渉はおろか、試合の視察、観戦も自粛することを約束した。
首都大学リーグ通算37勝、日本代表でもエースとして活躍する菅野だが、チームとしては全国優勝を果たしていない。今月31日から始まる関東地区大学野球選手権で明治神宮大会(11月23日開幕)の出場切符を勝ち取り、日本一になることが、今の最大の目標。強行指名をドラフト会議直前の控室で知ったという担当の岩井スカウトも、東海大側からの提案を了承。「菅野くんや東海大学さんに迷惑をかけたくない」と、本人の思いを最大限尊重することに決めた。
誠意の表れでもある。巨人が単独指名するとみられていただけに、日本ハムが仕掛けた「サプライズ」は、菅野本人や周囲を混乱させた。大渕スカウトも「戦略上のこととはいえ、事前に指名のあいさつを行っていない。先方に心の準備もなかったでしょうし、強い困惑、驚きを与えたことにはおわびをしなければいけない」と話し、席上でも関係者へ謝罪した。まずは心に芽生えた不信感を拭い去ることが先決。礼を尽くしていく方針だ。
明治神宮大会決勝は来月27日に予定されており、東海大が勝ち進めば、ドラフトから1カ月以上交渉の進展は望めない。それでも大渕スカウトは「日本一を目指してほしい」。来季ともに戦うため、まずは遠くから見守っていく。【本間翼】



