楽天のゴールデンルーキーに栄光の背番号が与えられることが12日、分かった。ドラフト2位釜田佳直投手(18=金沢)の背番号が、今季まで岩隈が着けていた「21」に決定。今夏甲子園を沸かせた153キロ右腕が、創設時から球団を支えてきた大黒柱の代名詞を引き継ぐ。また、同3位三好匠内野手(18=九州国際大付)は「2」、同4位岡島豪郎捕手(22=白鴎大)は「27」と、いずれも主軸の番号に決まった。今日13日の新入団会見で発表される。

 並々ならぬ期待が込められている。釜田は最速153キロの力投派。闘志あふれるマウンドさばきで、今夏甲子園で2勝を挙げた。星野監督も「田中、塩見に続く先発3番手もあるかもしれん」と、来春キャンプの1軍抜てきも考えているほどだ。新人の施設見学が行われたこの日も「釜田は、どうしてるかな?」と気にしているほどだった。その18歳に、岩隈のエースナンバー「21」が与えられることになった。

 岩隈は今オフ、メジャー挑戦へFA宣言し退団が決定的だ。通常、岩隈ほど貢献した選手の番号は、ふさわしい後継者が出るまで空き番となるケースが多い。また、星野監督は背番号を重視する。就任1年目を終え「レギュラーはふさわしい番号をつけるべき」と主張。今季終盤に外野の一角を担った牧田を「63」から「5」にするなど背番号変更を断行した。実績のない釜田に「21」を与えるのは、それだけ潜在能力を評価している証拠と言える。

 他の新人にも、それぞれふさわしい番号が用意された。即戦力と目すドラフト1位武藤好貴投手(24=JR北海道)は「34」。今春センバツ準V右腕ながら、打力を評価され内野手に転向する三好は「2」。昨季まで渡辺(現横浜)が着けていた番号だ。今でも楽天ファンに愛される、堅実な内野手の1桁を引き継ぐ。星野監督がキャンプ1軍を明言する岡島は、捕手の代名詞「27」に決まった。

 新人への好ナンバーは、次代を担ってくれという監督や球団のメッセージでもある。「楽天の21番と言えば釜田」「2番は三好」。ファンが即座にそう思うとき、新たなイヌワシ軍団が誕生しているはずだ。