メジャー挑戦を公表した花巻東(岩手)大谷翔平投手(3年)について、日本高野連・竹中雅彦参事は、「田沢ルール」が適用されるという見解を示した。本人の表明から一夜明けた22日、同参事は日本野球機構(NPB)と、08年の新日本石油ENEOS(現JX-ENEOS)田沢純一投手のレッドソックス入りに際して定められた復帰制限の申し合わせ事項に、大谷が適用されるかどうかを確認し合った。

 大谷が国内球団からドラフトで指名されながら拒否した場合は、帰国後3年間は日本の球団への入団は認められない。指名漏れとなった場合は、NPBと同高野連が適用の有無を再度確認することになった。プロ志望届を出しながら指名漏れし、米球団と契約したアマ選手に復帰制限は適用されないが、竹中参事は「大谷君の場合はメジャー挑戦を表明しており、通常の指名漏れにはあてはまらないのでは、という見方もある」と説明。また花巻東には、指名があった場合の球団のあいさつには必ず本人を同席させることを伝えた。

 ◆田沢ルール

 大谷がメジャー挑戦した場合、日本球団に戻ってくる際に制約が生じる。08年9月、新日本石油ENEOS(現JX-ENEOS)の田沢純一投手が大リーグ挑戦を表明したことを受け、NPBが「日本のドラフトを拒否して直接海外挑戦した選手は、日本に戻っても高校出身は3年間、大学・社会人出身は2年間、ドラフトで指名できない」と復帰制限を設け、12球団申し合わせ事項として承認。同年10月のドラフトから導入、田沢に適用された。有望アマ選手の海外流出を阻止するための措置だが、不明瞭な点も多く日本プロ野球選手会が反対してきた経緯がある。