日本ハムが、メジャー挑戦を表明している花巻東(岩手)の最速160キロ右腕、大谷翔平投手(3年)を1位で強行指名することを23日、決めた。25日のドラフト会議へ向け、千葉・鎌ケ谷の球団事務所に球団首脳が集結して対応を協議し、最終確認。山田正雄ゼネラルマネジャー(GM=68)が「大谷君を指名するという方針になりました」と表明した。交渉権を獲得しても翻意は難航と想定しているが、踏み切ることになった。

 【ドラフトの主な強行指名】◆81年工藤公康投手(名古屋電気)熊谷組入りが内定。全球団に指名を断る通達まで出したが西武が6位指名。根本陸夫管理部長が口説いて入団。◆85年桑田真澄投手(PL学園)早大進学を表明する中、同僚の清原を1位指名するとみられた巨人が桑田を1位指名する大波乱。桑田は方針転換して入団。◆89年元木大介内野手(上宮)相思相愛の巨人は1位大森内野手(慶大)に次ぐ2位獲得を目指したが、ダイエーが外れ1位で指名。入団拒否して浪人し、翌年1位で巨人入り。◆94年城島健司捕手(別府大付)駒大進学を表明していたが、地元九州のダイエーが1位指名。就任したばかりの王監督がすぐに会いに行き、結局入団。◆98年新垣渚投手(沖縄水産)ダイエー以外なら九州共立大進学を表明したが、強行指名のオリックスが抽選で交渉権獲得。交渉に当たったスカウトが那覇市内で投身自殺する悲劇も。◆08年長野久義外野手(ホンダ)巨人が1位の大田内野手(東海大相模)に次ぐ2位指名をもくろんだが、指名順の早いロッテが強行指名。拒否した長野は翌年1位で巨人入り。◆11年菅野智之投手(東海大)巨人入りを熱望する中、強行指名の日本ハムが抽選勝ち。入団拒否。