ドラフト1位候補の富士重工・東明(とうめい)大貴投手(24=桐蔭横浜大)が、ライバルに負けじと猛アピールだ。第6回東アジア競技大会(中国・天津)に向けた日本代表合宿2日目が28日、川崎市内で行われた。JX-ENEOSとの練習試合に先発した東明は5球団のスカウトの前で4回無失点と好投した。同じくドラフト1位候補のセガサミー・浦野博司投手(24=愛知学院大)、JR東日本・吉田一将投手(24=日大)も登板。試合は5-2で勝利した。

 東明は降板後、真剣な表情で試合を見つめていた。同じドラフト1位候補の浦野が3番手、吉田が4番手で投げた。投球を見て「吉田や浦野のレベルに達していない」と言った。2安打に抑え、予定通り4回までのマウンドを無失点で終えたが、納得いかないような様子だった。

 この日の最速は自己最速に4キロ及ばない146キロだった。阪神、DeNA、中日、楽天、西武の5球団のスカウトが見守る中、カーブ、スライダー、フォークを低めに集めた。「唯一よかったのは強気な姿勢で投げられたことだと思います」と振り返った。

 吉田と浦野は同学年で、同じ右腕の先発。「スタイルは違うけど、自分には変化球のキレがまだ足りない」と意識する。吉田のようなスケールの大きさ、浦野のような制球力はないが、手元で伸びる直球とキレのある変化球で攻めて打たせて取る投球が持ち味だ。

 2年前、桐蔭横浜大4年時にプロ志望届を提出したが、指名漏れの苦い経験がある。今年は1位候補として10月24日のドラフト会議に臨む。「今は与えられたことをやるだけ。上のレベルにいける準備をしたい」と意気込んだ。【栗田尚樹】

 ◆東明大貴(とうめい・だいき)1989年(平元)6月15日、岐阜県生まれ。富田(岐阜)で甲子園出場はない。桐蔭横浜大では3年時に大学選手権出場、4年時に明治神宮大会出場。神奈川大学リーグ通算30勝11敗。富士重工に入社して2年目。178センチ、78キロ。右投げ右打ち。