<プロ野球ドラフト会議>◇23日

 近藤ジュニアが下克上を誓った。ドラフト開始から約3時間半後。近藤真市投手コーチ(46)を父に持つ名城大・近藤弘基外野手(4年=享栄)が、中日から育成4位で指名された。名前を呼ばれたのは、この日竜が育成を含めて指名した13選手の中で最後。スター街道を歩んだ父とは違う。それでも、きっぱりと言い切った。

 「育成でもプロの世界で活躍できる可能性はある。自分次第で変わってくる。上位で指名された選手を追い抜きたい」

 竜のサラブレッドは、泥臭く一番下からはい上がるつもりだ。

 偉大な父の背中を追いかけてきた。高校は父にあこがれて同じ享栄に進み、外野手兼副主将を務めた。甲子園出場はかなわなかったが、名城大に進学。地道な努力で体もひとまわり大きくなり、スカウトの注目を集めるまでに成長した。

 親子鷹誕生で注目を集めるだけにプレッシャーは大きい。愛知・日進市内のグラウンドで練習を終えた弘基は「自分が結果を出さないと父の顔に泥を塗ることになる。誰からも認められるように頑張りたい」と目をぎらつかせた。【桝井聡】

 中日近藤投手コーチ(弘基の指名に)「大変な世界に入るので一生懸命努力して、1日も早く支配下選手登録をしてもらえるように頑張ってほしいです。(親子鷹で)注目はされると思いますがポジションは違う。父としては純粋にうれしいですが、これからは選手とコーチという立場でしっかりやっていきたいです。今は門を開いてもらったところ。本人には悔いのないようにやってほしいです」