日本ハムが、ドラフト1位の早大・有原航平投手(22)に背番号「16」を用意していることが7日、分かった。かつては1年目に22勝を挙げて新人王、投手3冠などに輝いた木田勇氏(60)ら、球団を支えたエースも背負ってきたナンバー。1年目から先発ローテーション入りが期待される即戦力右腕を、球団の歴史と伝統が詰まった背番号で迎え入れる。

 4球団競合の大器に、とっておきの背番号を提示する。日本ハムが有原に背番号「16」を用意した。最速156キロを誇り、変化球も多彩。栗山監督も1年目から先発ローテーション入りを期待する即戦力右腕。チームの伝統が詰まった数字が、ふさわしいと判断したようだ。

 16番には球団栄光の歴史がある。有名なのは社会人の日本鋼管から80年に入団した木田氏。3球団が競合したドラフト1位の即戦力左腕は1年目から先発、中継ぎとして40試合に登板。22勝8敗4セーブ、防御率2・28。19完投、225奪三振はともにリーグ最多。最多勝、最優秀防御率、最高勝率の投手3冠を取り、MVP、新人王とタイトルを総なめにした。

 北海道へ本拠地移転当初も“エース番号”だった。04年札幌ドーム初戦に先発した金村暁氏(38)。4年連続2桁勝利を挙げるなど活躍した右腕の背中で「16」が輝いた。古くは徳島・池田高の監督として甲子園で春夏通算3度の優勝を果たした故蔦文也氏(享年77)も、その1人。前身の東急時代の50年に背負っていた。

 背番号には球団の思いも込められる。ドラフト直後に有原が「すごい活躍をしています」と話した大谷は「11」。前エースのレンジャーズ・ダルビッシュの後を継いだ。今季は投手として11勝、野手として10本塁打。投打「二刀流」として、偉大な数字に負けない新たな光を放っている。

 現在、「16」をつける4年目の乾からは、すでに譲渡の内諾を得ている。今季1試合登板と不本意な成績に終わった左腕も心機一転、変更を受け入れた。早ければ栗山監督も出席予定の11日の指名あいさつ時にも提示する。189センチ、96キロと恵まれた体格の将来のエース候補。16番継承を受け入れれば、大きな期待と、球団の歴史も背負ってプロに飛び込むことになる。

 ◆日本ハムの背番号16

 最初につけたのはセネタース時代の46年、珍名選手として知られる一言多十(ひとこと・たじゅう)投手。同年の一言は6勝を挙げ、規定打席にも到達する二刀流だった。東急時代の50年には、のちに池田高監督となる蔦文也投手が使用。73年新美敏投手は12勝、80年木田勇投手は22勝でそれぞれ新人王になった。