外野のレギュラーを狙う中日藤井淳志外野手(27)が10日、来季は右打ちから入団時の両打ちに戻すことを明かした。名古屋市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み200万円ダウンの年俸1600万円でサイン。「レギュラーをとりたい。自分はやれると想う」と話した。自信の源が“スイッチ復活”だった。

 来年は中堅が空席だ。今季40試合で打率1割7分1厘にとどまった藤井も候補の1人。シーズン終盤には落合監督から「左打ちもしておけ」と言われた。プロ1年目の06年途中から右打ちに専念していたが、迷っていた藤井を決心させたのは今月初めまで参加していたドミニカ共和国のウインターリーグだった。

 「向こうはみんなスイッチでユーティリティープレーヤーなんですよ」。メジャーで実績ある選手も両打ちが多く複数ポジションを守っていたという。厳しい競争を生き抜く術を目の当たりにして決心した。現地では練習から左で打った。

 落合監督はチームのバランス上、左の外野手を求めてドラフト1巡目で日本通運の野本を指名した。ただ藤井は1歩も譲らない。「左の外野手より両打ちの外野手の方がいいでしょう。来年はやりますよ」。高らかなレギュラー奪取宣言だった。【鈴木忠平】