ソフトバンク小久保裕紀内野手(37)が“酒将”として最下位チームを改革する。小久保は24日、4年契約の3年目となる来季契約を現状維持の3億円で更改した。来季から主将就任が内定しており「この2年間は言いたいことも我慢していた。先頭に立って、若い選手の憎まれ役になる」と所信表明。仲良し軍団化していたチームの結束を固めるため、小久保の人選による月に1度の定例食事会を企画している。グラウンド内外で小久保が先頭に立ち、チームをけん引する。(金額は推定)

 巨人からFA復帰して2シーズンを終えた。小久保が決断した。

 「この2年は引いた部分で見て、言いたいことも我慢していた面があったけど、来年は先頭で引っ張ろうと」。

 来季からホークスとしては10年ぶりに復活する主将に就任する。秋山新監督からは非公式ながら、すでに打診を受けた。若手選手の憎まれ役も買って出る、物申す主将になる決意表明だった。

 この2年間、ベテランとして後方支援役に徹し、その分、チームを観察した。「前はもっと勝つことに1つだったかな、と。そこは自分を含めて物足りなかった」。王最高顧問がラストイヤーに位置付けた今季だったが、結果は最下位に終わった。「条件的にそういうのがありながら、僕もチームをちゃんとまとめられなかった」。ダイエー時代のチームの結束力、強さが感じ取れなかった。

 「仲良し集団化」しつつある現状も把握した。チーム内の交友関係が、特定の先輩、後輩、話しやすい同年代などに偏る傾向があった。「いいときはそれでもいい。悪いときは違う者同士で言って、意見を出し合ってね。月に1度は選手同士の意見交換の場をつくろうと。チームが勝つ、強くなる議論は大いに結構」。小久保の人選でその都度、メンバーを変える定例の食事会を開催。グラウンドでは、なかなか言えない本音を出し合い、小久保が吸収する。既に11月27日の選手会納会で、主力選手には意向を伝えたという。

 もちろん、無責任に発言するつもりはない。「言うからには自分がやらなきゃいけないし、プレッシャーを与えることが今の自分には必要」。今季は左かかと痛などもあり、106試合出場、打率2割5分3厘、20本塁打、56打点の成績に終わった。「この数年で一番、物足りないシーズンだった。いいチームだけど、取り組み方などをもう1回見直して、来年は取り組んでいきたい」。来季はグラウンド内外で、小久保が動く。【中村泰三】