巨人阿部慎之助捕手(30)が複数年契約を結んで生涯ジャイアンツを誓った。25日、東京・大手町の球団事務所で契約更改交渉を行い、3年契約(4年目は球団側が選択権を持つオプション契約)にサインした。来季年俸は8000万円増の3億5000万円で、再来年以降の年俸はその年の成績に応じて変わっていく。プロは1年1年が勝負という持論を貫き、異例の変動制契約を結んだ。(金額は推定)

 自ら長期契約への甘えを切り捨てた。更改後に会見した阿部は「来季の年俸は3億5000万円です」と話した後で、年俸変動制の3年契約を結んだことも明かした。現状維持なら3年間で10億5000万円が入る計算。長期契約を結ぶ選手はベースとなる年俸を保証してもらった上で、出来高をつけるケースが多い。捕手は故障のリスクも大きい。しかし、阿部は出来高もつけず、毎年の成績によって年俸のベースも変わる契約をあえて選択した。

 阿部

 1番こだわったのは変動制というところ。プロは1年1年が勝負だと思っている。成績が良かったら上げてもらい、悪かったら下がる。そういう形にしたかった。

 今季はWBCの優勝で始まり、シーズンではチームトップの32本塁打を放った。ポストシーズンでも大暴れし、日本シリーズではMVPにも輝いた。「これ以上の成績は今後、残せないんじゃないか」と思う一方で「もっと自分は成長できる。さらに上を目指さないといけない」と自分を奮い立たせた。これまで通り1年1年の成績で勝負したいと球団に申し出た。

 生涯巨人も宣言した。今季取得したFA権を行使することなく残留を決めたのも、自分を育ててくれたチームへの強い愛着があるから。「この球団に入れてもらって、ここまで来ることが出来た。巨人に骨をうずめるつもりでやっていく」。初めての複数年契約にサインし、チームを引っ張る責任感はさらに強くなった。「個人的には3割30本が目標。キャッチャーとしてはチーム防御率を今年に続いて2点台をキープしたい。来年も銀座パレードをやりたい」。リーグ4連覇と2年連続日本一を目指すことを誓った。【広瀬雷太】