エースがグラウンド内外でフル回転する。ヤクルト石川雅規投手(29)が25日、都内の球団事務所で契約更改し、総額8億円以上となる4年契約を結んだ。来季年俸は2500万増の1億8000万円。投手では石井一(現西武)、館山の3年を上回る球団史上最長契約年数だが「逆に単年契約のつもりで初心に戻ってやりたい」と意気込んだ。

 選手会長として練習環境の改善を訴えただけでなく、チームの人気向上へ自ら営業活動にも力を入れる。「地道な活動が実を結ぶと思う。まだ秘密ですが、個人的にやってみたいことがいくつかある。楽しみにしていてください」。携帯サイトの開設や、都内の学校訪問などが候補だ。「(チーム名に)せっかく東京がついてるんだから」。同じ東京を本拠地とする巨人からファンを奪う勢いで、球団のPR活動を展開するつもりだ。

 プロ8年間のうち7シーズンで2ケタ勝利をマークし、今季は自己最多13勝を挙げた。来年4月に国内移籍が可能となるFA権を取得するが「あと4年はヤクルトにいるので、優勝を目指して頑張りたい。200イニングを投げられれば、結果もついてくるはず」と、今はチームに全身全霊を注ぐ気持ちしかない。

 来年3月26日の開幕戦の相手は巨人。「高い意識を持って、館山に負けないように頑張ります」と、石川は3年連続となる開幕投手の座を譲る気持ちはない。新ミスタースワローズ候補が「G倒作戦」の先陣を切る。【由本裕貴】(金額は推定)