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３日、スカイマークスタジアムでフリー打撃を行うイチロー

　えっ？　神戸で打っていたの！？　３月５日開幕のワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）日本代表候補のイチロー外野手（３５＝マリナーズ）が１９日、仰天の神戸とんぼ返りトレーニングを敢行していた。代表合宿が休日となったこの日、宮崎市を離れてスカイマークスタジアムでフリー打撃など約１時間３０分。天候、練習環境などを考慮して、オフの拠点としている神戸で体を動かすという、まさに「イチ流」の休日となった。

　イチローが、とんでもない行動に出ていた。ＷＢＣ合宿が行われている宮崎から１人神戸に戻り、そのまま自主トレーニングを続けていたスカイマークスタジアム（神戸市内）で強行練習を敢行し、とんぼ返りしたというから驚きだ。

　この日、宮崎市内で行われている日本代表チームの合宿は休日だった。それぞれがつかの間のホリデーを過ごしたが、イチロー本人は体を緩めることを許さなかった。あるチーム関係者は「なぜ神戸に行ってまでと思うだろうが、今までも個人的に使用しているトレーニング機器もあるみたいだし、本人には休みたくないという気持ちが強いみたいだ」と説明した。

　１６日から宮崎市内のサンマリンスタジアムで行われている合宿では、チームとして動く全体練習がほとんどだった。特打などの個人練習が不足していたと感じていたのに加えて、現地では休日の球場など施設の確保も難しかったようだ。

　その上、この日の宮崎は午前中から雨で屋外で打ち込むには環境が悪すぎた。スカイマークスタジアムで約１時間半のほとんどをフリー打撃に充てていたという。宮崎－伊丹が約４７０キロ、伊丹空港－スカイマークが５０キロの片道５２０キロ。約１０４０キロの移動距離を往復する労をいとわず、休日返上でコンディションを整えたようだ。

　これまでの自主トレーニングでも、ブルペンのマウンドから投球練習を開始するなど型破りパフォーマンスを披露していた。ＷＢＣでタイブレーク方式が採用されることで、非常事態になれば野手登板の可能性も出てくるからで、自分から投手役を買って出るという意思表示だった。

　合宿でも得意の背面キャッチをしたり、スタンドにボールを投げ入れ、Ｖサインをつくるなど、打っても守っても歓声が起こって、スタンドを沸かせる。まさにエンターテイナーぶりを見せつけている。今回の強行練習からも、ＷＢＣ連覇にかける熱い思いがビンビンと伝わってきた。【寺尾博和】

　［2009年2月20日8時25分　紙面から］

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