“キング村田”が帰ってきた。侍ジャパン候補の巨人村田修一内野手(32)が、内海とのフリー打撃で豪快な本塁打を放った。連続ファウルから始まった対戦は、徐々にタイミングが合った村田に分がある展開。20球目、内寄りに入った直球を、高い軌道で左翼席中段に落とした。「ホームランを打てて、うれしい。球が上がる。飛んでいる。いいバッティングが出来ている」と納得した。

 村田が打った瞬間、グラブをたたきつけて悔しがった内海は「横浜時代の村田さんを思い出した。ボールが中に入ると、こうなる」と振り返った。胸を張って上段に構えるフルスイングは、連続本塁打王を獲得した07、08年当時のもの。長打にこだわる原点回帰が順調に進んでいることを証明した。

 侍ジャパン候補の野手は、代表合宿で3人が外れる。村田は当落線上にいるが、ロングヒッターの資質を取り戻した“キング村田”なら話は別だ。「真っすぐは大丈夫です。次のクールで変化球の目慣らしですね」と、周到な準備をして代表に乗り込む。送り出す原監督も「飛距離が、非常に出ていますね。去年の経験値が大きい」と太鼓判を押した。【宮下敬至】