侍ジャパンのホットコーナーは任せた!

 WBC日本代表の鳥谷敬内野手(31)が一躍、三塁レギュラー最右翼に躍り出た。山本浩二監督(66)が25日、今日26日の強化試合阪神戦(京セラドーム大阪)での三塁先発を明言した。開幕まで残り2戦。本番想定の実戦で三塁スタメンを任され、本大会でのサード鳥谷が現実味を帯びてきた。

 怠らなかった準備が実を結ぶ。ここまで二塁レギュラーの座を巡り、松井とガチンコ対決を繰り広げてきた鳥谷。WBC開幕のわずか5日前、一躍、三塁レギュラー最右翼に躍り出た。

 宮崎合宿から二塁守備と並行し三塁練習も続けてきた。山本監督はこの日、今日26日の強化試合阪神戦で鳥谷を三塁先発起用することを明言した。「明日は鳥谷で行くよ。(三塁守備も)うまいもんだよ。あとは距離感。鳥谷(の打撃)はずっと悪くないからな」。9番三塁での先発出場が濃厚だ。

 指揮官は「ボールが飛んでこないんだよな…」と苦笑いした。鳥谷は宮崎合宿から3試合で三塁を守り、守備機会はわずかに1。もちろん、阪神戦は三塁守備に慣れさせるという側面もあるだろうが、もう本大会まで残り2戦の状況だ。首脳陣は残り2戦を「本番想定の場」と認識している。阪神戦での三塁起用はつまり、三塁先発の可能性が高まったことを意味する。

 当初、本大会までの最終4試合は松井と2試合ずつ二塁先発する予定だった。23日のオーストラリア戦は鳥谷、前日24日の同戦は松井が先発起用された。その松井が24日に2安打4打点。一方、三塁レギュラー有力候補だった松田は実戦4試合で9打数1安打。首脳陣は好調な選手を優先起用する方針。松井が大活躍で二塁争いを1歩リードしたことで、残り2戦を順調に乗り切れば、1次ラウンドは二塁松井&三塁鳥谷の同時先発が有力となった。

 堅守に不安はない。WBC球については「多少滑る感じはあるけど、特には気にならない」とサラリ。この日は練習休日で、所属する阪神戦に向け「相手どうこうというのはない。特にやりにくさもない。本戦が始まるまでにしっかり準備したい」と力を込めた。

 打撃面では従来の33・5インチと新たに注文した34・5インチのバットを試してきた。「まだ決めてないよ」と話すが、代表実戦4試合はすべて34・5インチを使用。前日24日の練習中も長尺バットのみを使用し、方向性は見えつつある。攻守ともに問題なし。開幕戦で三塁鳥谷がコールされた時、すべての準備は終わっている。【佐井陽介】

 ▼鳥谷はプロ入り後、30試合に三塁手として出場。いずれも新人だった04年、守備機会47度で無失策。うち13試合に先発し、7番三塁でスタメン出場した5月27日横浜戦(甲子園)でプロ初本塁打を放った。今回のWBC代表としては、20日紅白戦、23、24日オーストラリア戦と3試合で三塁の守備に就いている。