<WBC:日本5-3ブラジル>◇2日◇1次ラウンドA組◇ヤフオクドーム
マー君、杉内、摂津の「沢村賞トリオ」が失点し、投手陣にとって不安いっぱいの初陣となった。先発したエース田中将大投手(24)が1回、わずか7球で1点を先制されるなど2回4安打1失点、23球で降板した。3回から登板した杉内、5回から3番手で登板した摂津がともに1失点。投手の起用構想が狂った。
試合に勝って敗者の弁だった。1回に失点した開幕投手の田中は、重苦しくなったブラジル戦の責任を痛感していた。2回23球で降板。3回からの継投を余儀なくさせた。
田中
言うことはない。言える立場じゃない。意気に感じて投げましたが、結果がすべて。ああいうピッチングをしていると、短期決戦では使ってもらえなくなる。
代表入り後、先発した3試合すべてで1回に失点した。俊足の1番オルランドに内野安打を許して無死二塁。1死三塁で、レイズ傘下に所属する3番レジナットへの初球、148キロの外角低めを簡単に左前適時打された。2回も直球系を連打された。ネット裏にはメジャーのスカウトが押し寄せていたが「そんなにWBC球は難しいのか」と疑問の声が上がった。
自慢の投手陣は、早い出番を余儀なくされた。2番手杉内は、2回の攻撃時に、もうブルペンで肩を仕上げていた。2イニング目の4回。レジナットの二塁打と佐藤の中前適時打は、ともにやや浮いた変化球だった。前回無失点だったWBCで失点し「出来ればしっかり終えたかったが。徐々に良くなっていく」と話した。3番手の摂津もレジナットに適時二塁打された上、杉内と同じで球数を41も要してしまった。
沢村賞投手が全員失点した。すべては田中の誤算が立脚点だった。東尾投手総合コーチは今後のローテーション再編について「いろいろなことを考えて。今、言うことじゃない。3、4日ある」と含みを残した。ブルペンを預かる与田投手コーチも「先発が先に崩れることは、今までのWBCではなかった。勝つためのリレーだった。陣容を練り直す状況は、できれば避けたいですよね」と話した。
エースが崩れれば、その影響はチーム全体に波及していく。責任感の強い田中本人が一番よく理解していた。
田中
チームが勝てたことが何よりです。自分も、もっと貢献できるように、準備しなければいけません。中国戦、キューバ戦もありますから。
23球しか投げていない。2次ラウンドの先発ではなく、登板が可能な1次ラウンドの残り2戦に向けた意気込みを話した。劇的に現状を変える時間はない。杉内、摂津、能見と先輩たちが控える。田中はこの先、剣が峰の試合で先発できるか。【宮下敬至】



